日本語入力のかな入力後にアルファベットを出力する手順について整理しよう。以下の検証結果は ATOK の最新版である ATOK 2012 の挙動にしたがったものである。
まず、ローマ字入力とかな入力の切り替えは以下の通りである。
操作履歴 | 直接入力 | 日本語入力 |
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1.[かな]キーを押す | 変化なし | ローマ字入力モード→かな入力モード |
2.[かな]キーを押す | 変化なし | かな入力モード→ローマ字入力モード |
日本語入力中に[かな]キーを押すとモードが変遷する一方で、直接入力ではモードは変遷しない。
上記の日本語入力中の切り替えを具体的な場面で行うと、つぎのようになるだろう。
操作履歴 | IMEの状態 |
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0.初期設定の確認 | 直接入力 |
1.[全角]キーを押す | 日本語入力(ローマ字入力モード) |
2.[かな]キーを押す | かな入力モード |
3.[かな]キーを押す | ローマ字入力モード |
4.[全角]キーを押す | 直接入力 |
日本語入力中にローマ字入力とかな入力を切り替えても何ら問題は生じない。
では日本語入力でかな入力モードを使用しているときに直接入力に切り替えるとどうなるか?そうして切り替えた直接入力ではアルファベットを出力できるのだろうか?
操作履歴 | IMEの状態 |
---|---|
0.初期設定の確認 | 直接入力 |
1.[全角]キーを押す | 日本語入力(ローマ字入力モード) |
2.[かな]キーを押す | かな入力モード |
3.[全角]キーを押す | 直接入力(かな入力モード) |
4.[A]キーを押す | 半角カタカナ「チ」が出力される |
5.[Shift] + [A]キーを押す | 半角カタカナ「チ」が出力される |
6.[かな]キーを押す | 変化なし |
7.[A]キーを押す | 半角カタカナ「チ」が出力される |
8.[Shift] + [A]キーを押す | 半角カタカナ「チ」が出力される |
日本語入力でかな入力モードを使用しているときに直接入力に切り替えると、かな入力モードの情報が不要なことに引き継がれてしまう。そうして切り替えた直接入力では、アルファベットを出力できない。
日本語入力から直接入力に切り替えずに、日本語入力中にCaps Lockを利用するとどうなるだろうか。
操作履歴 | IMEの状態 |
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0.初期設定の確認 | 直接入力 |
1.[全角]キーを押す | 日本語入力(ローマ字入力モード) |
2.[かな]キーを押す | 日本語入力(かな入力モード) |
3.[Caps Lock]キーを押す | 日本語入力(半角アルファベット入力 かつ かな入力モード) |
4.[A]キーを押す | 半角カタカナ「チ」が出力される |
6.[Shift] + [A]キーを押す | 半角カタカナ「チ」が出力される |
5.[かな]キーを押す | 日本語入力(半角アルファベット入力) |
6.[A]キーを押す | 半角小文字アルファベット "a" が出力される |
7.[Shift] + [A]キーを押す | 半角小文字アルファベット "A" が出力される |
上記の直接入力に切り替えたときと同様、Caps Lock が有効なときにかな入力モードの情報が引き継がれていると、アルファベットを出力できない。
これらの情報を総合すると、日本語入力でかな入力を使用し、つぎにアルファベットを出力する手順はつぎのようにまとめられる。
- 日本語入力中にかな入力モードからローマ字入力に移行する
- 直接入力に切り替えるか Caps Lockキーを押してアルファベット入力モードに切り替える
この二つの処理を経ないとアルファベットを出力できない。