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第二回の概要
市式仮配列の設定ファイルを作成し、交互打鍵を実装する。
設定ファイルの作成
それでは、市式仮配列の実装に着手しよう。DvorakJ.exe のフォルダの直下にある、user フォルダに、市式仮配列 というファイル名のテキストファイルを作成する。そのファイルには、以下に示す文字列をコピーすること。この文字列が意味しているのは、「順に打鍵する配列」としてキーボード配列を設定することと、各キーに各文字を割り当てるということである。 /* */ で囲んだ部分は、設定内容になんら影響するものではない。
順に打鍵する配列 /* * 市式仮配列 */ [ 1|2|3|4|5|6|7|8|9|0|-|{^}|\| q|w|e|r|t|y|u|i|o|p|@|[ | a|s|d|f|g|h|j|k|l|;|:|] | z|x|c|v|b|n|m|,|.|/|\| ]
ところで、DvorakJ でいう、順に打鍵する配列とは何なのか。今のところは、キーを同時に打鍵しない配列である、と理解しておいてほしい。子供が指を一本だけ使用して、キーボードを打鍵している様を想像すればよいだろう。
上記の表は設定内容を表しているのだが、もしかすると説明はある程度不要かもしれない。そう、この設定内容は、私たちが普段使用している(であろう) QWERTY 配列というものである。ただし、Shift を用いないものである。表の最上段はキーボードの最上段を表し、同様に、最下段はキーボードの最下段を表している。表中の a や s は、キーボードのAやSの位置で、当該文字を出力することを意味している。
設定ファイルの読み込み
早速、DvorakJ にこの設定ファイルを読み込ませてみよう。 DvorakJ の「日本語入力」の「日本語入力用配列」の「設定ファイル」として、この設定ファイルを選択すると、日本語入力用配列として、上記の設定内容を読み込み、使用するようになる。なお、設定ファイルを読み込ませると、設定画面のメニューの「編集」から、現在使用している日本語入力用配列の設定ファイルをすぐに編集できるようになる。
交互打鍵の実装
ickw0911のブログ : 新配列とりあえず完成。の画像を参考にして、以下のように設定ファイルを書き換えてみよう。書き換えたら、その設定ファイルを読み込み直さなければならない。設定ファイルの選択ボタンから、当該設定ファイルを選択するか、DvorakJ 自体を再起動すること。
順に打鍵する配列 /* * 市式仮配列 */ [ p|y|r|h|b| | |i|e| | s|t|k|n|w| |a|u|o| | z|d|g|m| | | | | | | ]
表中の文字を変えたことによって、出力される文字が大きく変わった。左側には子音用のキーを配置した。たとえば、Aを打鍵すると s が出力されるようになった。逆に右側には母音用の文字を集めた。ローマ字入力を想起すれば分かるように、イ行の文字を出力するということは、子音の後に母音キーとして i を出力するということだから、ア行なら a を、イ行なら i を出力するようにした。
この設定内容で交互に打鍵する動作を実装したものの、実のところ、これは順に打鍵する配列の機能を活用したものではない。その活用方法については次回取り組むことにする。
なお、表の一行目を空にし、二行目以後の右側の設定を省略したのは、設定内容を見やすくするためである。行を空にしたり行中の項目を省略すれば、該当するキーを打鍵しても何も出力しないようになる。
次回は、順に打鍵する動作を市式仮配列にさらに組み込んでみよう。