先日の銃乱射に関する記事である。予想されるように、この記事の関心は銃規制のゆくえにある。事件とこれを取り巻く政治的言説の展開については、かかしさんのエントリーを参照のこと。
- In the Strawberry Field:エントリー “惨事を無駄にしないリベラル、アリゾナ銃撃事件を保守派のせいにする”
- In the Strawberry Field:エントリー “大急ぎ、自分たちのサイトから標的マークを消す左翼連中”
- In the Strawberry Field:エントリー “憎悪の環境は左翼の賜物、保守派の言論を弾圧させるな! ”
ここで記事につけられたあるコメントに触れてこう。Economist のエントリーには、犯人は右翼ではなくてむしろ左翼だと指摘するコメントがある*1。そのコメントの内容はつぎのようなものだ。Economist のこのエントリーが伝えるところでは、犯人は『共産党宣言』と『わが闘争』に関心を有していらしい。全体主義的で左翼主義的なそのような本に関心を有する人物が右翼だなんて到底考えられない。犯人は右翼とは逆の左翼だろうに。それからナチスの政党がどういうものだったかを語り、最後にレイモン・アロン (Raymond Aron) の The Opium of the Intellectuals (原題 L'opium des intellectuels)を勧めている *2。記事を補完するこのような指摘が即座になされるのはよい。