ウイルスバスター2010の「その他のツール」の管理画面の各アイコンにカーソルを合わせると、以下の文字列からなるポップアップが表示される。ポップアップの文字列はどれも「クリックして起動 X」という構造になっている。
- クリックして起動 リモートファイルロック
- クリックして起動 システムチューナー
- クリックして起動 Trend ツールバー*1
「クリックして起動 X」は"Click to launch X"をそのまま訳したものだろう。ここでいうそのまま訳すとは語順を変更しないということである。Xを移動しないと言うほうがわかりやすいだろうか。「〜して」というのは、「to 不定詞の副詞的用法」の<結果>「〜となる」を意識したものだろう*2。
CNETにこのことを裏付ける画像が掲載されている。Trend Micro Internet Security 2010 Security and encryption reviews - CNET Reviewsというウェブページ中の"Frustratingly, the update scheduler can't be set to check for updates more often than once an hour. "のすぐ下にある画像を見て欲しい。英語版のウイルスバスター2010に相当する"Trend Micro Internet Security 2010 "の批評の資料として、くだんの管理画面の画像が公開されている。この画像中には"Click to launch Trend Micro Valut"と記載されている。これが「クリックして起動 リモートファイルロック」にあたる*3。"Click to launch X"と表記されていたことがわかった。
「クリックして起動 リモートファイルロック」を「クリックしてリモートファイルロックを起動」と表記しなかったのは、日本語を母語とする開発者がこの管理画面の開発に携わっていないことが原因だろう。日本語を母語とする人がこのような訳出をするとは考えにくい。日本語を母語としない開発者か又はいわゆる機械訳によって、"Click to launch X"が「クリックして起動 X」と翻訳された。そして、Xの部分が日本語に訳された。こういうことだろう*4。