はじめに
Dvorak配列は英語の文章の入力のために作成された配列です。Dvorak配列は日本語入力のために作成された配列ではありません。ましてや日本語のローマ字入力を考慮して作成された配列ではありません。
以下では英語入力と日本語のローマ字入力での Dvorak 配列の練習方法について考えてみます。特に後者について考えてみます。練習方法の条件は「無料」です。ここでは、DvorakJ*1から直接飛ぶことができるウェブページを取り上げます。
英語入力での Dvorak 配列の練習方法
以下のウェブページでは、段毎の打鍵の練習ができます。
このウェブページの練習プログラムの特徴は次の二点です。第一に、Dvorak 配列の図が同一の画面内に表示されていることです。第二に、同じキーを打鍵して地道な練習をすることがないことです。Dvorak 配列で英単語をすぐに打鍵してみたいという方におすすめです。
Dvorak 配列を着実に覚えたいならば、大御所のウェブページの練習プログラムを使用すればよいでしょう。
このウェブページの練習プログラムは、以下のウェブページのように、より使用しやすくなっています。
- Typex: typing exercise
- Typing Dvorak - A Flash based remake of ABCD A Basic Course in Dvorak by Dan Wood. Engine written by Tom Cookson
私は、大御所のウェブページの練習プログラムを2回繰り返したことにより、Dvorak配列でタッチタイピングをできるようになりました。
日本語のローマ字入力のための練習テキスト
以下のウェブページの「ブログの原稿での解析結果 (約22万文字)」を見てください。以下、特に断り書きがない限り、順位とは、このウェブページに記載されている「ブログの原稿での解析結果 (約22万文字)」の順位のことです。
頻出順位が上位1位から10位の文字は、「いうんし、とかのなて」です。
まずこの10文字を入力出来るようにします。これらを入力出来るようになることで、行と段の組み合わせにより、次の文字を入力できるようになります。
あ | い | う | え | お |
か | き | く | け | こ |
さ | し | す | せ | そ |
た | ち | つ | て | と |
な | に | ぬ | ね | の |
ん | ||||
、 |
次に覚えるのは以下の12文字です。
- 13位の「は」
- 15位の「る」
- 17位の「で」
- 18位の「が」
- 21位の「も」
- 23位の「じ」
- 28位の「。」
- 31位の「ょ」
- 32位の「を」
- 35位の「ー」
- 55位の「ば」
- 74位の「ぷ」
これを覚えれば、行と段の組み合わせにより、次の文字を入力できるようになります。
あ | い | う | え | お | ||||||||||
か | き | く | け | こ | が | ぎ | ぐ | げ | ご | |||||
さ | し | す | せ | そ | ざ | じ | ず | ぜ | ぞ | |||||
た | ち | つ | て | と | だ | ぢ | づ | で | ど | |||||
な | に | ぬ | ね | の | ||||||||||
は | ひ | ふ | へ | ほ | ば | び | ぶ | べ | ぼ | ぱ | ぴ | ぷ | ぺ | ぽ |
ま | み | む | め | も | ||||||||||
や | ゆ | よ | ||||||||||||
ら | り | る | れ | ろ | ||||||||||
わ | を | |||||||||||||
ん | ||||||||||||||
、 | 。 | ー |
ここまで終えれば、まだ覚えていないのは、捨て仮名の入力方法のみとなります。
これより、上記の10文字+12文字+2文字の合計24文字の入力方法を覚えることで、日本語の文章を入力できます。覚えるべき文字をまとめます。
- 頻出の10文字
- 「いうんし、とかのなて」
- その他12文字
- 「はるでがもじ。ょをーばぷ」
- 捨て仮名用2文字
- x と l
文字の入力方法を覚えたら、上記の「2.Uジローが書いたブログ原稿における、連続する2文字の組の頻度表」の「2文字、頻度50以上の結果」の一覧を、スムーズに入力できるまで繰り返し練習します。「ょう」といったものは、「きょう」や「ひょう」という風に、適当な文字を前に置けばよいでしょう。
それをスムーズに入力出来るようになったら、以下のページにある3文字の一覧を、スムーズに入力できるまで練習します。
Dvorak 配列によるローマ字入力の練習方法――日本語入力未拡張版――
日本語入力、具体的にはローマ字入力で、日本語入力用の拡張を使用せずに Dvorak 配列を使用するならば、次のようになります。
' | 、 | 。 | パ行 | ヤ行 | F | ガ行 | C | ラ行 | 捨て仮名用 | |
ア段 | オ段 | エ段 | ウ段 | イ段 | ダ行 | ハ行 | タ行 | ナ行 | サ行 | - |
; | Q | J | カ行 | 捨て仮名用 | バ行 | マ行 | ワ行 | V | ザ行 |
ここで、日本語入力用の拡張を使用しないDvorak配列で、ローマ字入力をすることを考えます。すると次の3点に気づくことでしょう。
- カ行とヤ行とパ行の文字については、左手のみで行と段のキーを打鍵する
- ア行の文字についても、左手のみで段のキーを打鍵する
- それ以外の文字については、右手で行のキーを打鍵してから、左手で段のキーを打鍵する
これらを念頭に置いて、上記の23文字の入力方法を覚えます。そして、「2文字、頻度50以上の結果」の一覧を、スムーズに入力できるまで練習します。最後に、上記の3文字の一覧を、スムーズに入力できるまで練習します。
Dvorak 配列によるローマ字入力の練習方法――日本語入力拡張版――
練習方法は「日本語入力未拡張版」と同様です。
私見では、次の順番で日本語入力拡張版を練習してみればよいでしょう。
- まず、 C がカ行のキーとなるDvorakY*2を練習します。DvorakYはヤ行の文字を一打で出力します。これより、左手のみで行と段を打鍵するのはパ行のみとなります。
- 次に、DvorakJP*3を練習します。ann や ai を一打で出力できることを学びます。
- その上で、ACT09*4、蒼星*5、JLOD配列*6のうち興味を抱いた配列を練習します。
DvorakJPやACT09を練習するにあたり、まずは以下の4点に注目すればよいでしょう。
- 第一点は、すべての日本語入力拡張版のDvorak 配列において、C がカ行のキーとなることです。
- 第二点は、DvorakYを除き、日本語入力拡張版のDvorak 配列は、ann や onn を一度の打鍵で出力出来ます。
- 第三点は、拗音キーの位置です。DvorakJPとDvorakYとACT09 (そして JLOD配列)と蒼星は、それぞれ、拗音キーの位置が異なります。
- 第四点は、促音のみを出力するキーの有無です。DvorakJPとDvorakYには促音のみを出力するキーはありません。その他配列にはあります。
練習する配列の特徴を把握したら、「2文字、頻度50以上の結果」の一覧を、スムーズに入力できるまで練習します。最後に、上記の3文字の一覧を、スムーズに入力できるまで練習します。
おわりに
Dvorak 配列を覚えようとしている方、がんばってください。
*1:"Dvorak 配列に関する覚書" < http://blechmusik.xrea.jp/d/misc/Dvorak_keyboard_layout/#DvorakJ >
*2:"win / おまえら、DVORAK配列つかってますか?" < http://p2.chbox.jp/read.php?host=pc11.2ch.net&bbs=win&key=1034359234&ls=772-773 >
*3:"DvorakJP" < http://www7.plala.or.jp/dvorakjp/ >
*4:"ACT09総合解説書" < http://www1.vecceed.ne.jp/~bemu/act/act09_doc.html >
*5:"蒼星(日本語入力配列)" < http://onpumoe.hp.infoseek.co.jp/keyboard/sousei.html >
*6:"高速タイピング JLOD配列 (Japanese Layout on Dvorak)" < http://www.mikage.to/jlod/ >