説明書の作成
そろそろ簡単なものでもつくってみますか。はてなダイアリーならば表の作成が楽ですからね。
以下に掲載する表中の数字が意味するものは、つぎのとおりです。
1--2 | 人差し指 |
---|---|
3 | 中指 |
4 | 薬指 |
5--8 | 小指 |
表の左側のキーは左手が、右側のキーは右手が担当します。
なお句読点はこの基礎編では扱いません。
後日追記:単打の表に「つの」などを追加しました。
単打
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | Ctrl + V | Esc | Del |
け | ー | こ | て | さ | ひ | ん | り | づ | つ | ヴ | Ctrl + C | |
か | は | し | と | た | く | う | い | き | の | Enter | Ctrl + X | |
せ | お | に | な | ぽ | っ | る | す | へ | ら | つの |
中段人差し指(2)と逆側の手を使用した同時打鍵
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
を | ||||||||||
下駄配列の設定を引き継いでいます。
中段中指(3)と逆側の手を使用した同時打鍵
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
み | ぁ | え | や | ぉ | ぴ | ぬ | そ | ゎ | ふ | |
れ | ろ | も | あ | よ | め | わ | ゆ | |||
ぇ | ち | ほ | ぃ | ぅ | む | ゃ | ゅ | ょ |
中段薬指(4)と逆側の手を使用した同時打鍵
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
げ | ぱ | ご | で | さ | び | ぷ | ぞ | ぶ | ||
が | ば | じ | ど | だ | ぐ | ま | ぎ | |||
ぜ | ね | ぢ | ぼ | ぺ | ず | べ |
習得しやすい配列?
この塗り下駄配列は、kouyさんの下駄配列を改変したものです。キーボードの配列については、普通の人が真っ先に考えることは、習得のしやすさではないでしょうか。習得しやすいであろう配列として私が思い浮かぶのは、つぎのようなものです。
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
あ | い | う | え | お | た | ち | つ | て | と | ゛ | ゜ |
か | き | く | け | こ | な | に | ぬ | ね | の | 、 | 。 |
さ | し | す | せ | そ | は | ひ | ふ | へ | ほ |
なぜこのようなキーボードの配列であれば覚えやすいのでしょうか。ここで想起すべきことは、日本語話者ならば五十音表を覚えているということです。そのルールに従ったキーボードの配列ならば、誰だって覚えるべきことが少なくなります。
果たして塗り下駄配列は覚えやすいのでしょうか。実は、塗り下駄配列は、いくつかの先行研究を念頭において作成されました。ですから、答えは、覚えようとしている人が有している知識に左右される、ということになります。一例を挙げれば、日本語の文章でどのような文字が使用されやすいかについて知っているかどうか、という知識を有しているかどうかに左右されます。
以下では、このような配列が作成される過程を説明します。
日本語の文章で使用されやすい文字と塗り下駄配列
下駄配列の作者であるkouyさんは、「ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく : 100万字日本語かなn-gramデータ」*1にて、かなの出現頻度を公開しています。"N-gram_1gram.txt"というものが該当データです。
このデータの出現頻度の順位上位50位と塗り下駄配列を重ね合わせてみます。ここでは「〓」と句読点を取り除いた順位に基づいています。
単打
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
36 | 37 | 15 | 9 | 30 | 46 | 3 | 24 | づ | 26 | ヴ |
5 | 14 | 4 | 7 | 8 | 10 | 2 | 1 | 13 | 6 | Enter |
35 | 27 | 12 | 11 | ぽ | 19 | 16 | 21 | へ | 28 |
中段人差し指(2)と逆側の手を使用した同時打鍵
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
29 | ||||||||||
中段中指(3)と逆側の手を使用した同時打鍵
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
44 | ぁ | 42 | 48 | ぉ | ぴ | ぬ | 41 | ゎ | ふ | |
32 | 49 | 25 | 31 | 38 | 45 | 43 | ゆ | |||
ぇ | 34 | 50 | ぃ | ぅ | む | ゃ | 40 | 20 |
中段薬指(4)と逆側の手を使用した同時打鍵
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
げ | 47 | ご | 18 | さ | び | ぷ | ぞ | ぶ | ||
17 | ば | 23 | 39 | 33 | ぐ | 22 | ぎ | |||
ぜ | ね | ぢ | ぼ | ぺ | ず | べ |
同時打鍵を必要としない単打では、出現頻度上位50位内の文字のほとんどを出力することがわかります。そして、同時打鍵のときには、三段目のキーには上位50位内の文字が多く割り当てられています。これこそが下駄配列の特徴でしょう。塗り下駄配列ではこの特徴を引き継いでいます。よって、頻出文字については、単打か同時打鍵の三段目にないかを調べればよいでしょう。
「か」と「が」や、「す」と「ず」など
単打では清音の文字を出力し、同じキーの「中段薬指(4)と逆側の手を使用した同時打鍵」により、濁音の文字をほぼ出力できます。これも下駄配列の特徴のひとつです。
例外となる文字をあげてみましょうか。以下は、「中段中指(3)と逆側の手を使用した同時打鍵」で清音の文字を出力し、同じキーの「中段薬指(4)と逆側の手を使用した同時打鍵」により、濁音の文字を出力するものです。
- 「そ」と「ぞ」
- 「ふ」と「ぶ」
- 「ち」と「ぢ」
- 「ほ」と「ぼ」
清音の文字と濁音の文字が、違うキーに割り当てられているものは、以下のとおりです。
- 「つ」と「づ」
- 「き」と「ぎ」
「づ」と「き」は右手の薬指が、「つ」と「ぎ」は右手の小指がそれぞれ担当することとなります。
小括
基礎編では、「単打」、「中段人差し指(2)と逆側の手を使用した同時打鍵」、「中段中指(3)と逆側の手を使用した同時打鍵」、「中段薬指(4)と逆側の手を使用した同時打鍵」を取り扱いました。これにより、記号以外の文字を出力することができます。
次回は、句読点をはじめとした記号や「にし」といった文字列を一回の同時打鍵で出力することを説明します。
*1:http://kouy.exblog.jp/9731073/