blechmusikの日記

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麻生副総理の「ナチス発言」によって、有権者の4割弱が安倍内閣に対する印象を悪くしたらしい

 8月11日読売新聞朝刊によれば、8月8日から10日にかけて行われた読売新聞社の全国世論調査で、表題のとおりの結果が出たようだ*1。質問の聞き方次第で回答が異なる可能性もあるから、その質問を見てみよう。

麻生副総理兼財務大臣が、憲法改正を巡って、ドイツのナチス政権の手法を学べという趣旨の発言をし、その後、撤回しました。麻生氏の発言で、あなたの安倍内閣に対する印象は、悪くなりましたか、それとも、変わりませんか。

 この質問からは、憲法改正のどういう文脈において「ドイツのナチス政権の手法を学べという趣旨の発言」がなされたのか皆目わからない。もっとも、有権者がこれまでに接した報道を踏まえて回答せよ、という設問なのかもしれない。
 回答結果はこうである。有権者の4割弱、おおよそ3人に1人が安倍内閣に対する印象を悪化させたようだ。

・悪くなった 36%
・変わらない 58%
・答えない   5%
・その他    1%

 このような世論調査の結果が出てきたのはなぜだろうか。おそらく、麻生発言の「静か」という意味が否定的に捉えられているからだろう。麻生発言の「静か」ということばを物静かという状況の意味でのみ理解し、冷静という動作の様子を表す意味として理解しない人が多数いる。これはインターネット上に限った現象ではなく、各新聞紙面上の投書欄を見れば分かるように、日本中で広くみられる現象のようだ。また、ナチスに関わる発言の文脈が正確に伝わっていないということも考えられる。


 読売新聞はこのような全国調査をする前に、麻生副総理の過去の言動と今回の発言の整合性を検証して公表すべきだった。私はこのように思っている。管見の限り、読売新聞は今回の麻生副総理の発言後から全国世論調査実施までに、麻生副総理の過去のナチス関連の発言や、杉原千畝の記念館訪問に言及していない。もちろん、過去の言動と今回の発言に密接な関係はないと結論づけるのであれば、それも一つの考えとして尊重するが、しかしそう結論づけるためには過去の言動を改めて考察しなければならないだろう*2。詳しくは先のエントリーを参照のこと。

*1:RDD方式。1746世帯の中から1002人の有権者の回答を得た。回答率は57%である。

*2:ちなみに、麻生発言「ナチスの手口に学べ」の真意 何を言っているかさっぱりわからない人たちの狂騒|新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く|ダイヤモンド・オンラインでは過去のナチス発言に言及しているものの、今回の発言との整合性について何ら分析していない。