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blechmusikの日記

キー・カスタマイズ・ソフトウェア "DvorakJ" の覚え書きをはじめとして様々なことを書いています。

NPO法人「大雪りばぁねっと。」関連の事件から学ぶこと: 追補

  1. はじめに
  2. 事件報道の概要
  3. 考察
  4. 仮説
  5. おわりに
  6. 追補 ←ココ


ここでは追補として、第三者調査委員会の報告書(概要)と、山田町災害ボランティアセンターにおける岡田氏の振る舞いについての証言を取り上げ、考察してみたい。

第三者調査委員会の報告書(概要)で公開された新情報

 2013年4月2日に、「山田町緊急雇用創出事業委託に関する第三者調査委員会」の委員長が町長に対して調査結果を報告した。インターネット上ではその報告書の全文は公開されておらず、概要版のみが公開されている。

 この報告書の概要は私がこの日記で既に触れてきたものばかりだから、言い換えると既存の公開情報の編集にとどまっている部分が多いので、報告書の内容にさほど意義を見いだせない人もいるかもしれない。なるほど、岡田氏や橋川氏が第三者調査委員会の面会に出席しなかったので*1、このような内容がまとめられたのはしょうがないことである。結局、第三者調査委員会の法的権限を考えれば、真相究明を期待すること自体が無理な注文なのだろう。
 そうはいうものの、この報告書の評価すべき点は正当に評価したい。ここでは4点を取り上げよう。

  1. 大雪りばぁねっと。と山田町の関係をわかりやすくかつ短くまとめている点(pp.2, 5)。表を見れば分かるように、出来事と日付が詳しく記載されている。
  2. 給湯施設の無償供与の提案について「他の市町村が辞退」していた、という新情報を掲載している点(p.3)。これは私の知る限りどのメディアも報じてこなかったことである。他の市町村が拒否してきた理由は何だろうか?
  3. 人件費に関する新情報を掲載していること(p.6)。目に付くのは岡田氏と母に対する人件費の支払いだろう。北海道旭川市在住の岡田氏の母が岩手県山田町の直接緊急雇用創出事業にどのように関わってきたか、そしてそれについての岡田氏の考えはどのようなものか、知りたいものである。
  4. 大雪りばぁねっと。と橋川氏の関係の新情報を掲載していること(p.6)。これまでの報道によると、橋川氏の身分は、大雪りばぁねっと。が組織する「山田町災害復興支援隊」の副隊長であり、かつ大雪りばぁねっと。と取引関係にあるリース会社「オール・ブリッジ」の社長というものだった。今回公開されたのは、その橋川氏が大雪りばぁねっと。の事務局に無給で常駐しており、岡田氏から指示を口頭で全て受けていたという情報である。大雪りばぁねっと。と橋川氏のかなり密接な関係が明らかになったといえる。

 他方で評価できない点もあって、ここでは3点を挙げる。

  1. 社会福祉協議会と大雪りばぁねっと。の結びつきに全く言及していない点。この関係についてはこの日記で説明したとおりである。この事件が山田町と大雪りばぁねっと。との関係をいっそう強めたと私は思っているのだが、どうなのだろう。
  2. 山田町の町章入りの「名刺」を岡田氏が所有し、活用した疑惑に触れていない点。「黒塗りゾディアックボート」でgoogle検索すると分かるように、この名刺がきっかけとなって、山田町役場と大雪りばぁねっと。間にトラブルが生じたのだと大雪りばぁねっと。関係者は明かしている*2。この情報が正しいならば、山田町は大雪りばぁねっと。の行動に対して、疑念の目を早くから向けてもおかしくはあるまい。いや、早くから向けていたはずだといえよう。山田町の役場が大雪りばぁねっと。にどのような態度で接してきたのか、精査されるねばならない。
  3. 岡田氏が山田町で他の団体を強力に統制していたことに間接的にしか触れていない点*3。もしも仮に山田町において大雪りばぁねっと。以外の団体が活動していれば、大雪りばぁねっと。にこれほどの資金が供給されることはなかっただろう。山田町と大雪りばぁねっと。との関係構築の経緯を見る上では、なぜ大雪りばぁねっと。が山田町でこれほど自由に活動できたのか、また他の団体は何をしていたのか、が問われねばならない。この点については後述する。


 この報告書(概要)から判明するのは、残念なことに分かりきったことであるが、第三者調査委員会が閲覧しえなかった関係資料をつぶさに調べない限り、事件の全貌は明らかにならないということである。岡田氏や橋川氏が積極的に事実を公表することで事態の解明は進むだろうが、それを期待することはできないだろう。

山田町災害ボランティアセンターにおける岡田氏の新情報

 みえ災害ボランティア支援センターとは、山田町災害ボランティアセンターの「起ち上げ前から先遣隊を派遣し、静岡県や長野県の社協職員らと共に、外部支援者として」*4ボランティアセンター事業を助力してきた団体である。大雪りばぁねっと。の初期の活動を間近で見続けてきた団体だといえばいいだろうか。
 その支援センターの現センター長である山本氏が興味深いことを証言している。岡田氏が、山田町災害ボランティアセンターにおける他団体のいわば生殺与奪権を握っていたというのだ。「山田町災害ボラセンが設置される頃、岡田くんの機嫌を損ねたら本当に山田町災害ボラセンに居られなかった」*5という山本氏の証言からは、岡田氏が山田町災害ボランティアセンター設立後に管理・運営で強大な影響力を行使していたように見える。
 本当にボランティアセンターの運営が一NPO団体によってこのように歪められていたならば、詳しい事例調査が行われてしかるべきである。たとえば他の自治体の社会福祉協議会や関係者、研究者にとって、この件を調査することは、ボランティアセンター運営の効率性を高める提言や施策につながるだろう。将来生じる災害でボランティア活動を行おうとする人にとっては、ボランティアが接することになるかもしれない(理不尽とも言うべき)環境をよく知ることになる。
 果たして、山田町の役場は岡田氏のこのような活動を知った上で、岡田氏と接触し続けるよう決意したのだろうか。それとも活動の風聞に接しなかったために、その後岡田氏と関係を深めていったのか。2011年5月2日に県の関係者から受けた忠告と併せて考えると、こういった岡田氏の行動を山田町はどの程度把握できていたのか、また把握しようとしていたかこそ問われるべきだ。
 参考資料として、関連する山本氏のつぶやきを列挙する。つぶやきの転載を許可して下さり、ありがとうございます。










*1:第三者委員会と橋川氏は別の機会に面談をしたとのことだが、面会と面談のニュアンスはどのように違うのか正確なことは分からない。

*2:http://twitter.com/aoneko_okinawa/statuses/292088374985097216

*3:「5月2日の県社協専務らの忠告」(p.3)がそれにあたる。

*4:みえ災害ボランティア支援センターとは | みえ災害ボランティア支援センター

*5:Twitter / yasusy1973: 山田町災害ボラセンが設置される頃、岡田くんの機嫌を損ねたら本 ...