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blechmusikの日記

キー・カスタマイズ・ソフトウェア "DvorakJ" の覚え書きをはじめとして様々なことを書いています。

「経済学がこの世から消えたら…」の覚え書き

雑記 ニュース

7年前の2005年、第2次小泉改造内閣*1の時に、2ちゃんねるの経済学板に「経済学がこの世から消えたら…」というスレッドが立った。このスレッドには、デフレーションの状態が続いた日本の未来の状況がフィクションとして投稿されたのである。作者は二年前に亡くなった銅鑼衣紋(ドラエモン)*2こと岡田氏*3*4

このスレッドに投稿された話は以下のエントリーでまとめられている。


ここでは覚え書きを3点残しておく。まず、このフィクションの世界全体についてである。内閣府のシンクタンクである内閣府経済社会総合研究所 (ESRI) の2003年経済政策フォーラム「インフレ目標政策を巡って」で、岡田氏は以下のように述べていた。

……今の名目金利が名目成長率を上回っている状態のもとでは、財政は破綻が決定しているわけで、この状態があと5年から10年続けば、確実に財政破綻によるハイパーインフレーションという、古典的なデフレ脱出が実現するだろうと思います。

上記のスレッドに投稿されたフィクションは、長引くデフレーションのせいで、岡田氏が言うところの「古典的なデフレ脱却が実現」しつつある世界を描き出したものであろう。たしかに、デフレーション以外の理由によりハイパーインフレーションを恐れる論者もいる*6。それに対して岡田氏はデフレーションの影響を深刻に考えており、それがハイパーインフレーションを伴うことを危惧していた。岡田氏の懸念をどう捉えるかが、今私たちに問われている。
二つ目は、「夕刊富士」についてである。レス中に「夕刊富士」とあるのは、もちろん現実の世界でいうところの「夕刊フジ」を意識したものだろう。Twitter / yukanfujitantou: インフレ目標を最初に丁寧に解説していただいたのも、バーナンキ ...によると、「日本」の解き方 - 政治・社会 - ZAKZAKを現在担当している高橋氏を夕刊フジが迎えた裏には、岡田氏の助力があったようだ。岡田氏は夕刊フジの一定の経済解説記事に好意的な見方をしていた気がする。
第三点目は「平成不況の研究」に関してだ。これは『昭和恐慌の研究』(2004)をもじったものといってよいだろう。興味深いのは、平成16年(2004年)5月12日の夕刊フジでこの書籍を紹介していたことである*7。この記事を読めば、岡田氏が『昭和恐慌の研究』を好意的に評価していることは、よく分かる。この本の出版をきっかけとして焚書坑経運動が将来勃発するかは不明である。そうはいうものの、経済学に反する考えが極端に強くなったときに、ひょっとしたらこういう話もあり得ることになるのだろうか。

昭和恐慌の研究

昭和恐慌の研究


以上、「経済学がこの世から消えたら…」に関する覚え書きを三点並べた。これらの覚え書きを利用する事態が到来するのは好ましくない。それは言うまでも無いことだろう。そうはいうものの、そのときには活用したいものである。