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blechmusikの日記

キー・カスタマイズ・ソフトウェア "DvorakJ" の覚え書きをはじめとして様々なことを書いています。

1972年の時点で、ベンダサンはOSSかOWIに所属していた人物だと主張していた人がいた

雑記

これは『日本人とユダヤ人』を精読したうえで、当時のマスコミの表層的な読解を批判している1972年の論文である。

筆者が「ベンダサンは、戦時中、アメリカの諜報機関、OSSかOWIに所属していた人物である」(p.221)と論を提示するうえで注目している箇所は、[書評]日本人とユダヤ人(イザヤ・ベンダサン/山本七平) Part 2: 極東ブログで説明されている箇所と同じだ。
なお、三田のいうOSS とは Office of Strategic Services 戦略諜報局のことで、OWI は Office of War Information 戦時情報局を指す。そして、前者の OSS が日本において工作員を養成していなかったという点は注目に値する。それはSSUの資料でつぎのように説明されている。「日本におけるわれわれ〔Strategic Service Unit 戦略諜報隊の前進であるOSS〕の秘密諜報の収集活動は経験不足であるため、徹底的に計画を練ってあたる必要がある。戦時中、OSSは日本に工作員をもたなかった。したがって日本列島には〔ママ〕工作を行う能力のある人物をリクルートしたり、訓練したりはしなかった。しっかりしたコネもなければ、協力を求めるべき訓練のできた要員はいない。」*1この資料から分かるのは、OSSの日本における工作員はベンダサンのように海外から送り込まれてきた人物だけだということである。ベンダサンはどのような状況下で工作活動を行っていたのだろうか。
こういう論説が書籍の出版から2年後に世に出ているとは知らなかった。もっとも、この論説が掲載されている雑誌は一般的な人?なら読まないだろうから、この論説の見解が広く伝わらなかったのは仕方がないことかもしれない。
私見では、以下の書籍の「第7章 大学と諜報 知識の枠組みとしてのOSS/OWI」が、ベンダサンのような洞察の背景事情をうまく説明している。

知の版図―知識の枠組みと英米文学

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