blechmusikの日記

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釜石市と大槌町について気になったこと(4月24日時点)

目次

  1. はじめに
  2. インターネットの活用
  3. マスコミの報道
  4. 基礎自治体と中央政府・地方自治体との温度差
  5. おわりに

はじめに

以下では、釜石市大槌町のインターネットの活用、マスコミの報道、基礎自治体と中央政府・地方自治体との温度差について述べる。

インターネットの活用

今回の震災で目についたのは、インターネットの活用に対する行政の認識の低さである。次のような指摘は鋭い。

日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)が JSAT と協力して、衛星通信によるブロードバンドと無線LANの組合せで提供する動きもある。ただし、全体としてみれば、これらはそれぞれ局所的な取り組みであって、異なる取り組みの間で連携を図る動きはみられず、面的な展開になっているわけではないようだ。
総務省も「通信回線」の被害状況は震災直後からとりまとめを行っているが、「インターネット接続」についての被害状況は把握していない。〔宮城〕県でのとりまとめもなされてない模様だ。事業者側は、個別にはデータを把握しているはずだが、それが行政に報告されたり、互いに共有されている状況でもない。
インターネットが災害時の救援活動、復旧活動に有効な通信手段だという認識が防災関係者の間に存在していれば、今回よりずっと早く、インターネット接続の回復、臨時対応などの手段が講じられたはずである*1

インターネットが活用されて、被災地外から被災地の情報に自由にアクセスできるない限り、人々は被災地に居続けると考えられる*2仮設住宅の申し込みや遺体の埋葬手続きといった情報を得られないと思い、被災地から他の施設へと一時的に避難することを敬遠するだろう。「釜石市では1カ月が過ぎた今も、市の業務としては〔インターネットを〕活用できていない」*3と嘆いているだけでは駄目である。インターネットを活用して、被災地内外から、被災地の情報にアクセスしたり、各種手続きを行えるようにすべきだ。

マスコミの報道

マスコミの話に移ろう。中央のマスコミの報道に対しては疑問がいくつもある。例えば、マスコミ各社が被災地の地域を分担し、それぞれが責任を持って報道しなかったのは何故か、被災地の市長から次のように苦言を呈される報道を何故やめないのか、といったものである。

民放の密着取材にも応じたが、ワイドショー的な情報番組の中には取材ルールを守らない人がいて憤慨したことがある。視聴率稼ぎのようなことは控えてほしい。*4

マスコミの関係者は、今回の震災の報道を振り返り、どのような報道が適切なのかを検討すべきである。

基礎自治体と中央政府・地方自治体との温度差

では、最後の基礎自治体と中央政府・地方自治体との温度差とはどういうことか。端的に言えば、被災した基礎自治体の切羽詰まった状況を、中央政府と地方自治体が理解できていないということだ*5。岩手県庁を訪れた大槌町職員に対する、岩手県職員の反応が興味深い*6。3/23の時点で、岩手県が大槌町の行政機能の状況を把握できていない様がよく分かる*7。中央政府の方はどうだろう。被災地のことをあたかも話し合うように見せつつ、復興税というものを大々的にアピールする場を設けているのではないだろうか*8。これらが縦割り行政故の弊害だと言うなら、この際、それを取り壊すべきであろう*9

おわりに

上記の事項はすぐに解決されないかもしれない。いや、今後ずっと変わらないことかもしれない。
では、そのままでいいのだろうか。私はそうは考えていないが、悲しいことに、対処法を未だに思いつかない。

*1:iSPP 情報支援プロボノ・プラットフォーム「東北現地訪問(4 月 1 日− 5 日)レポート」。

*2:岩手日報の3月28日付けの記事「地元は今…情報入らず不安 内陸避難の被災者」参照。

*3:大震災と報道:被災地の首長がとらえた有効性 - 毎日jp(毎日新聞)

*4:陸前高田の市長の言である。大震災と報道:被災地の首長がとらえた有効性 - 毎日jp(毎日新聞)被災地の美談記事の作り方、教えます 致命的に多様性が欠けている日本のメディア JBpress(日本ビジネスプレス)そこは「忘れ去られた被災地」だった 津波に押し流された岩手県・野田村で見たもの JBpress(日本ビジネスプレス)も参考になるだろう。

*5:もちろん、被災地の自治体の様子が正しく把握され、その情報が共有されているならば、そうは言えない。

*6:朝礼での一言!: 突然の来訪。このブログの執筆者は総務省自治行政局の浦上哲朗課長補佐である。浦上課長補佐は3/18に大槌町を訪れている。朝礼での一言!: 大槌町参照。

*7:最新の情況は不明である。

*8:「復興増税」論の隠された意図を暴く 「通貨」の信認と「国債」の信認の正体|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン東日本大震災復興構想会議の第一メッセージがなぜ「復興税」?|中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Amebaを参照。

*9:【日本の解き方】復興基本法の成否を決める政治力と財源に重大な懸念 縦割り組織なら失敗確実だ - 政治・社会 - ZAKZAK参照。