blechmusikの日記

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釜石市と大槌町について、一般人は何ができるのか(4月24日時点)

後日追記

  • 情報収集一般の説明を取り除いた。
  • 大槌町の災害対策本部の設置について、朝日新聞の記事(4月21日朝刊)と毎日新聞の記事(4月28日)に言及した。

目次

  1. はじめに
  2. 緊急時以外は、被災地において一般車両をできるだけ利用しない
  3. 必要な物資を送る
  4. 金銭を送る
  5. 後世の人に震災の情報を伝える
  6. おわりに

1. はじめに

4月22日に公開された、iSPP情報プロボノ・プラットフォーム「東北現地訪問(4 月 1 日− 5 日)レポート」というものがある。「今回被災したいわき市郡山市仙台市気仙沼市名取市を訪問し」、現況を分析し、いくつか提言しているものだ。
このレポートを参考にして、岩手県の釜石市大槌町につき、一般人は何ができるのかを考察してみたい。具体的には、現時点で一般人ができることを4点挙げる。
読者として想定しているのは、釜石市大槌町へ赴こうとしている方や、訪れる予定は無いがこの被災地の状況を把握したい方である。

2 緊急時以外は、被災地において一般車両をできるだけ利用しない

「日中の交通渋滞により、緊急車両の通行に支障が生じているほか、今後の復旧作業の遅延が懸念されている」*1。観光気分で被災地を訪れることは、甚だ迷惑である。現在では、列車やバスを利用すれば釜石市大槌町にたどり着けるのだから、まずはそれらの手段の利用を検討すべきだ。

3 必要な物資を送る

物資が足りないという話を聞いたとき、個人はどのように物資を送るべきだろうか。物資を分別なく送ると、現地で仕分け作業が追いつかないような事態を招いてしまうかもしれない。良かれと思ってしたことが、被災地の住民を苦しめることになりかねないのである。
ここで注目すべきサービスが「ふんばろう東日本支援プロジェクト」だ。避難所に居る方が求めている物資のみをその都度送る、民間のサービスである。例を出すと、このサービスを通じ、被災地外の自治体が被災地内の避難所に物資を先日から送り始めた*2。これだけではない。Amazon の wish list が活用され、物資が迅速に届けられている*3。こちらの手法は、大槌町の避難所において、よく活用されているようだ。このようなサービスを利用することで、被災地における仕分け作業の負担を軽減できる。実際に現地に赴いて仕分け作業を手伝えないならば、輸送側の物資の流れを管理するこのようなサービスをサポートするのが良いだろう。
避難所以外への支援は、連絡体制が整っていないだろうから、現状では難しいと思われる。当面の間は、地域内の民生委員や町内会の活動に任せるしかないだろう。

4 金銭を送る

金銭を送りたい方もいるだろう。様々な団体が釜石市大槌町で活動してきたが、ここではその団体を4つ紹介する。もしもその活動に共感したならば、金銭を送ってみてはいかがだろうか。

//amda.or.jp/">AMDA(アムダ) - 救える命があればどこへでも:特に大槌町で支援活動を展開してきた団体である。緊急救援 - AMDA(アムダ)で、今回の震災関連の活動を見ることができる。
//space.rgr.jp/bio/">バイオディーゼルアドベンチャー:物資の調達が難しい地域に物資を届けるなど、被災地において変動する物資のニーズにきめ細かく対応してきた団体である。釜石市大槌町で縦横無尽に幅広く活動してきた。私見では、保育園のサポートに一番携わった団体である。
//hanamaki.yuicco.com/">ゆいっこ花巻 | 結 | ゆいっこ | ぼくらの復興支援 IWATE YUICCO:大槌町でさまざまな活動をしてきた団体である。大槌町の住民の様子をよく伝えていると思われる。
//www.ce.gunma-u.ac.jp/bousai/index.html">広域首都圏防災研究センター 群馬大学大学院工学研究科社会環境デザイン工学専攻:釜石市の児童・生徒に防災教育を提供してきた研究センターである。釜石市の児童・生徒の生存率が99.8%と高いのは、この研究センターのおかげだろう*4。今回の震災で、釜石市内のみで震災孤児(主たる養育者を全員失った児童・生徒)が14名、自宅を失った児童・生徒が600名以上いるということ等を受け*5釜石市の児童・生徒への支援を呼びかけている。

5 後世の人に震災の情報を伝える

上記のことは一個人にとっては比較的短期間で終えられることだが、それとは対照的に、以下のことを成し遂げるには多くの時間を割かねばならない。

今回の震災を津波に焦点を当てれば、今後犠牲者を増やさないためにも、津波がどれほど恐ろしいものなのかを語り継ぐべきである。今回の震災で注目すべきことは、津波が襲ってくる様を複数の人々が撮影していたことだ。釜石市大槌町については、地域に偏りはあるが、動画がいくつか公開されている*6。写真も多数残されている*7。「報道されない地域の記録を、将来のために残す」*8ことは大切である。これらの情報を整理し、後世の人々に伝える必要があろう。
今回の震災の避難状況を伝えることも必要だ。たしかに、津波の被害を最小限度に抑えるためには、広域首都圏防災研究センター 群馬大学大学院工学研究科社会環境デザイン工学専攻のように、児童に対する防災教育を強化するということは勿論考えられる。しかし、それだけでは十分ではない。地域住民も迅速に逃げなければならない*9。問題は、高台に避難するよう呼びかけても、聞き入れずに避難しなかった者が何人も居たことである。これは私が聞いた情報で、釜石市の市街地と唐丹町、平田町の話である。生き残った者が全員迅速に逃げたというわけでもない。高台に避難するよう上司に進言したものの、上司がそれを断り業務を続けようとしたという話も聞いた。こちらは大槌町の話である*10。車道が渋滞したせいで津波に巻き込まれてしまった、という話も聞いている。高台へと迅速に逃げなかった者がどれほど居たか、その理由は何故なのかを、機会があれば、防災関連の担当者に伝えるべきだろう*11

震災後の被害を防ぐことも、後世の人に伝えねばならない。
震災後、盗難の話が流れていた。大槌町の住民によると、発災翌日から「町内の大型スーパーに陳列してあった商品をいち早く漁りにいった」人々がいた*12。それは日本人と外国人の両方だったようだ。空き巣や金庫荒らしの噂も流れていたらしい。釜石市の方はどうだろうか。「〔3/22の〕晩、釜石市で、100台以上の車がガラスを割られ、盗難にあった」*13と語る人、さらには、小学生とともに津波から避難したことで注目を受けた釜石東中学校において盗難事件が生じていたと断言する人もいる*14
このような事態に対処するには、地域住民がすばやく動き、盗難の被害を食い止めるのが重要である。今回の震災では大槌町吉里吉里地区の動きが注目に値する。「①不明者捜索と平行して金庫や貴重品を拾ったら即回収、対策本部で保管②ジュース・タバコ自販機も回収、ストック済み③郵便局のATMも回収済み④夜間の消防の巡視」*15ということを行っていたようだ。
上記の津波からの避難に加え、犯罪防止策についても、語り継ぐ必要があろう*16

6 おわりに

以上、釜石市大槌町に関して一般人ができること4点を説明した。出来る範囲のことをすればよいだろう。

*1:4/14のつぶやき「Twitter / @岩手県広聴広報課: 【交通渋滞緩和のお願い】被災地では、重機作業による片 ...

*2:なぜ物資は積み上げられたままになるのか?→「ふんばろう東日本支援プロジェクト」なら解決できます。 - 西條剛央のブログ:構造構成主義 - 楽天ブログ(Blog)

*3:Amazon ほしい物リストから直接被災地へ支援 - ふんばろう東日本支援プロジェクト

*4:小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力 WEDGE infinity(ウェッジ)参照。

*5:お知らせ 広域首都圏防災研究センター:釜石市の児童・生徒に対する義援金の御礼と引き続きの支援のお願い

*6:東日本大震災の被災地である釜石市と大槌町の各種情報をまとめた(4月5日時点) - blechmusik2の日記参照。

*7:一例として、ルポ・大槌―5(ドキュメント…津波) | ゆいっこ花巻 | 結 | ゆいっこ | ぼくらの復興支援 IWATE YUICCOと、藤勇醸造株式会社のブログのエントリー「東日本大震災1|FUJIYUのブログ」を挙げておく。

*8:キャンピングカーで放浪の旅 Ⅱ| ブログの内容を、変更します。    他   (2011/4/6)。キャンピングカーで被災地をまわっているこのブログの筆者は、ボランティア活動をしながら被災地の様子を記録し続けている。なお南三陸町防災無線の件は、今のところ、このブログのエントリー「キャンピングカーで放浪の旅 Ⅱ| 最後まで防災無線で叫び続けた人は、2人いた。 〜南三陸町〜   他   (2011/4/13)」が、ニュース報道よりもはるかに詳しい。

*9:片田敏孝「小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力 WEDGE infinity(ウェッジ)」では、震災前の釜石市民の防災意識の低さが説明されている。

*10:大槌町といえば、4月21日付けの朝日新聞朝刊の記事「防災不全、町長の死 岩手・大槌役場、玄関横本部に津波」や、東日本大震災:役場のんだ津波 「高台へ」直後、黒い塊 - 毎日jp(毎日新聞)が注目に値する。防災計画どおりに裏山の公民館に災害対策本部をはじめから設置していれば、職員の人命は救われただろう。マニュアルは適切に作成されていたものの、実際に運用する者が判断を誤ったのではないか。同様の被害を防ぐために、詳しい検証を早急にすべきである。

*11:津波の被害を受けた者の中には、高齢者の救助に向かった者が一定数いると思う。小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力 WEDGE infinity(ウェッジ)キャンピングカーで放浪の旅 Ⅱ| 大槌町を歩く  他に、釜石市両石・鵜住居、大槌町吉里吉里 〜被災者の声を聞く〜   他  (2011/3/25)を参照。それを踏まえても、津波の脅威を軽く見積もった故に避難しなかった者が一定数居るのではないだろうか。

*12:ホタテ屋サトウ<復興中>#2 <お宝発見の神様>  2011/04/03書

*13:キャンピングカーで放浪の旅 Ⅱ| 釜石市での、ボランティア初日 〜瓦礫(がれき)の下には、まだ多くの人が〜   他  (2011/3/23)。このブログの方は3/23に、釜石市でのボランティア活動に参加している。

*14:地獄と天国|釜石【鉄と魚の都(まち)】を深〜く味わう虎の巻参照。釜石東中学校の女子生徒のお母様のブログである。

*15:Twitter / @ハガタイチ: @blechmusik 吉里吉里の犯罪防止の取り組み ...

*16:ここでは盗難の話に限定したが、それ以外の犯罪も同様である。4月1日付けの記事asahi.com(朝日新聞社):ネットのデマ、警察庁がチェック強化 悪質なら摘発も - 社会では「警察庁によると、震災後、岩手、宮城、福島の3県の被災地では、強盗、強制わいせつといった被害の届け出は一件もないという」と報道しているが、真相はどうなのだろうか。3月17日付けの記事asahi.com(朝日新聞社):物資不足で被災地の盗難増加 ガソリンや食品など被害 - 東日本大震災に掲載されている画像は、大船渡市内の避難所の張り紙であるが、「盗難、暴行やいたずら等が発生しています」と大きく書いてある。また、宮城県警察本部生活安全企画課の『防犯だより』(平成23年3月19日)には、「白昼に大勢の者が店舗に侵入して商品を盗む事案も発生していますので、このような災害に乗じた犯罪被害に遭わないよう、十分に注意をして下さい」と記載されている (pdf)。マスコミはこの点を掘り下げて調べるべきだ。