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blechmusikの日記

キー・カスタマイズ・ソフトウェア "DvorakJ" の覚え書きをはじめとして様々なことを書いています。

「トゥーソンの惨事:ことばが責めを負うべきなのか?」

先日の銃乱射に関する記事である。予想されるように、この記事の関心は銃規制のゆくえにある。事件とこれを取り巻く政治的言説の展開については、かかしさんのエントリーを参照のこと。

ここで記事につけられたあるコメントに触れてこう。Economist のエントリーには、犯人は右翼ではなくてむしろ左翼だと指摘するコメントがある*1。そのコメントの内容はつぎのようなものだ。Economist のこのエントリーが伝えるところでは、犯人は『共産党宣言』と『わが闘争』に関心を有していらしい。全体主義的で左翼主義的なそのような本に関心を有する人物が右翼だなんて到底考えられない。犯人は右翼とは逆の左翼だろうに。それからナチスの政党がどういうものだったかを語り、最後にレイモン・アロン (Raymond Aron) の The Opium of the Intellectuals (原題 L'opium des intellectuels)を勧めている *2。記事を補完するこのような指摘が即座になされるのはよい。

*1:http://www.economist.com/comment/793729#comment-793729

*2:直訳すれば『知識人の阿片』となる。日本では日本語の全訳が小谷秀二郎訳『レイモン・アロン選集3 知識人とマルキシズム』として出版されている(現在は絶版のようだ)。なぜこのような題で出版したかは定かではない。訳者あとがき(pp. 333-34)には題に関する説明が全くないのである。