blechmusikの日記

キー・カスタマイズ・ソフトウェア "DvorakJ" の覚え書きをはじめとして様々なことを書いています。

『iP!』 (2010年4月号)に掲載された DvorakJ の紹介文から何を学ぶべきか

先日触れたとおり*1、先日発売された 『iP!』 (2010年4月号)に DvorakJ の情報が掲載された(p. 113)。読者アンケートの投稿内容から察するに(pp. 128--129)、この雑誌の購読者は、小学校高学年から高校生といったところだろう。もしかしたら、大学生や社会人もこの雑誌を読んでいるかもしれないが。この雑誌について全く知らないときには、iP! - Wikipediaを参照のこと。
掲載された情報は以下の二点からなる。すなわち、第一点は、DvorakJ は持ち運びできるソフトウェアだから、異なるパソコンでも同じ配列を使用できるということだ。第二点は、キーボード配列の「すべての内容を変更」できることである。
第一点目の持ち運びの件については、まさにそのとおりだ。キーボード配列を変更する手段としてレジストリを編集しない。また、新しいドライバを導入することもない。このソフトを使用すれば、レジストリやドライバを改変できないよう設定されている学校のパソコンでも、キーボード配列を編集できるのだ。
第二点目のキーボード配列の「すべての内容を変更」の件については、補足説明を四つしなくてはならないだろう。
第一に、DvorakJ ではファンクションキーの機能を変更できないことだ。AutoHotkey ( AutoHotkey_L ) では、ファンクションキーの機能を変更することは、文字キーのキーを変更することと何ら違いがない。つまり、このキーの機能は簡単に変更できるのだ。
第二に、DvorakJ ではテンキーの機能も変更できないことである。この機能もファンクションキーの機能と同様、簡単に変更しうる。
第三に、DvorakJ では他の特殊なキーも変更できないことだ。ここでいう特殊なキーとは、たとえば、Scroll Lock や Print Screen といったキーである。これらのキーをきちんと使用していない人は、これらのキーの使い道を見いだすことは難しい。そのときに、これらのキーを何かのキーに変更できれば幸いだろう。もちろん、これらのキーを変更することも、ファンクションキーやテンキーと同様、容易なのである。
第四に、DvorakJ は、キーボード配列を変更する他のソフトウェアと異なり、キーボード配列を変更するには、テキストファイルを編集しなくてはならないことだ。たとえば、『iP!』同号に掲載された KeySwap for XP を想起してほしい(p. 90)。KeySwap for XPはレジストリを編集することでキーボード配列を変更するソフトウェアだ。レジストリということばを知らない人でも、レジストリを実際には編集することで、キーボード配列を編集することができる。KeySwap for XPの特長は、GUIですべての編集動作を行えることにあると考えられよう。
以上の点から、DvorakJ に欠けている点が二つ見えてくる。すなわち、変更できるキーの拡充と、変更手段の簡易化である。これまでは、文字キーをいかに変更できるか、変更にあたり何の機能をどのように実装するか、といった点に注意を払ってきた。この点は未だ発展途中にあるものの、おおむね方向性が見えてきたと考えられる。しかし、これまでの改変では、この点に力を注ぎすぎてきた感があるだろう。特殊なキーを変更できれば、ノートパソコンの使用者に DvorakJ を有効活用していただけるかもしれない。キーボード配列の変更手段が簡単ならば、誰もがあまり労力を要さずしてキーボード配列を変更できるようになるのではないか。これらの問いを真剣に考察できていなかったのである。
本エントリーをまとめよう。まずは、直近の課題として浮かび上がってきた二点の問題を解決すればよいだろう。つまり、ファンクションキーやテンキーを変更する機能を追加すること、キーボード配列をより簡易な手法で変更できるようにすることである。この作業を通じて、ユーザーがソフトウェアをしやすいとはどういうことか、他のソフトウェアがなぜ使い勝手がよいのか、そもそもキーボード配列を変更するとはどういうことかを今一度考えねばならない。DvorakJ が誰にとっても使用しやすいソフトウェアとなるよう、開発し続けたいものである。