読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

blechmusikの日記

キー・カスタマイズ・ソフトウェア "DvorakJ" の覚え書きをはじめとして様々なことを書いています。

黒塗り下駄配列の解説 特別版 「っ」の出力方法

はじめに

黒塗り下駄配列では促音を表す「っ」を二種類の方法で出力できる。 [M] か [@] を単打するのである。
実は、日本語の促音化には規則性が見られる。ごくおおざっぱにはつぎのように言える。「『っ』が使われるのは原則として無声子音の前だけ」*1である。また、半濁音化の現象も考慮する必要がある。これより、促音の後には/k, s, t, p/が続くことになる。
以下では、どちらの方法で「っ」を出力するのが望ましいかを整理する。ただし、この整理には限界がある。「っ」に続く文字の出力方法のみに注目しているのであって、「っ」の直前にある文字をどのように出力するかを考慮していないからである。

前提

まず、どういうときにキーが打ちにくくなるかを考えよう。異なる段のキーは打鍵しにくいだろう。また、同じ指で異なるキーを打鍵することも打ちやすいとは言えないだろう。指を広げなければならないような、互いに離れたキーも打鍵しにくいだろう。これらを念頭に置いて件の打鍵を整理しよう。
以下の図で★は「っ」を出力する二つの運指を示している。上段右端の★を★6とし、下段の★を★2としよう。上記のことを考慮すれば、これらの★のキーを押したあとでは、つぎのようにキーを打鍵すればよい。★6を押したあとに6と書いてあるキーを打鍵する。2と書いてあるキーについても同様である。2/6と書いてあるキーについては、どちらの★を使用してもよい。

5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
          6 6 6 6 2/6 ★6
          2/6 2/6 2 2 2
          2/6 2/★2 2 2 2

「か」行

「き」を含む文字列を出力するときには、★6を打鍵する(「索居」「石級」「屈強」「屈曲」)。「き」のみを出力するときには、★6か★2を打鍵する(「活気」)。それ以外では、★2を打鍵する。

単打
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
                    ★6
             
            ★2      
中段中指(3)を使用する同時打鍵
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
                  ★6
                 
            け/★2      
上段の中指(3)使用する同時打鍵
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
きゅう     きゅ           ★6
きょう     きょ            
きょく きゃく   きゃ     ★2      

「さ」行

「す」と「しゅ」「しょく」「しゅっ」「しゅう」を出力するときには、★6を打鍵する(「察す」「接種」「褐色」「固執」)。「し」と「しゃ」「しょ」については、★2か★6を打鍵する(「冊子」「接写」「末書」)。それ以外については、★2を打鍵する。

単打
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
                ★6
                 
          ★2    
上段の中指(3)使用する同時打鍵
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
            しゅ しょく しゅっ しゅう ★6
            しょ     しょう
            しゃ/★2      

「た」行

「つ」と「ちゅ」については、★6を打鍵する(「摂津」「キッチュ」)。「ちゃ」と「ちょ」については、★6か★2を打鍵する(「抹茶」「拙著」)。それ以外については、★2を打鍵する。

単打
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
                  ★6
             
            ★2      
中段中指(3)を使用する同時打鍵
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
                  ★6
                 
            ★2      
上段中指(3)を使用する同時打鍵
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
          ちゅ         ★6
          ちょ        
          ちゃ ★2 ちょう ちゃん ちゅう
上段薬指(4)を使用する同時打鍵
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
                    ★6
                   
            ★2 ちょっ ちゃっ ちょく

「ぱ」行

すべて★2を打鍵する。

中段中指(3)を使用する同時打鍵
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
                ★6
                 
      ★2      
中段の小指(5)を使用する同時打鍵
5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6
        ぴゅ           ★6
        ぴょ        
        ぴゃ   ★2      

おわりに

以上の検討をまとめよう。「っ」を出力するには、原則として、★2を打鍵すればよい。例外として、「す」や「つ」など上段を打鍵する文字列が「っ」のあとに続くときに、★6を打鍵する。★2のまわりのキーは好みに応じ★6か★2を打鍵する。

*1:神山孝夫『脱・日本語なまり―英語(+α)実践音声学』(大阪大学出版会、2008)22ページ。[asin:4872591704:detail]