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blechmusikの日記

キー・カスタマイズ・ソフトウェア "DvorakJ" の覚え書きをはじめとして様々なことを書いています。

塗り下駄配列の作成の裏話っぽいこと

はじめに

以下のkouyさんのエントリーに対するいわば返答とでも言うべきを書くこととします。

同時打鍵の配列に興味を持ったきっかけ

知人に、DvorakJPやJLODによって日本語の文章を入力するシーンを、ニコニコ動画を利用してでも見せることが出来たらおもしろいなと思いました。ここで注意すべきなのは、ただ日本語の文章を普通に入力しても、一般人にとっては面白みが無いであろうことです。じゃあどういう動画にすればいいんだろうと考えたました。その結果、TypingManiaで何かの歌詞を入力すればいいのではないかと思いました。
ニコニコにあるTypingMania関連の動画をざっと見たところ、以下の動画が興味深いと思いました。

DvorakJPでこの動画のとおり入力すれば、左右の手を使用した同時打鍵のようなものが頻出します。SKY配列など子音と母音を片手づつ使用するものでも同様でしょう。
そこで、いっそのこと似非同時打鍵ではなく、真性の?同時打鍵を使用してみたらどうだろうかと考えました。その結果、下駄配列を使用するに至りました。

小指と薬指の話

下駄配列を知っている人が塗り下駄配列を見れば、kouyさんの以下の意見に同意することでしょう。

一番注目するのが、薬指と小指のかなりの部分を入れ替えている点。
これはわたしの感覚では出ない発想。小指よりも薬指の方が相対的な強度は劣っているという見解があるそうですが、これは(下駄配列作成当時も今も)信じられないです。

それでは原文*1の194ページの該当箇所を引きましょうか。

...each column receives a coefficient that takes into account the relative agilty and endurance of the fingers. Here, the relative strength of the fingers is known to be greatest for the index, then the middle finger, followed by the little and the ring finger and, finally, by the thumb. Their values come from orders of magnitude given by an ergonomist researcher (Richardson 2000).

私はこの箇所を一読したとき、薬指と小指の関係を読み間違えたのかと思いました。私の読み方は間違っていないですよね?
ワグネらが提示した196ページの表によれば、「理想的な負担分配」(Ideal load distribution)は次のとおりになります。

Number 0 1 2 3 4 5 6 7 8
Column 15.28 10.26 15.38 23.08 17.95 6.41 5.13 3.85 2.56

表を見やすいように編集しました。ここでいう0は親指、1--2は人差し指、3は中指、4は薬指、5--8は小指がそれぞれ打鍵する位置を示しています。一列を担当する薬指と4列を担当する小指が同率の17.95%を負担するのがよいようです。

シフトキーやコントロールキー

kouyさんはつぎのように述べています。

 あと、小指は文字キー以外にも[Shift]や[Ctrl]などを担当するという事情もあります。下駄配列では[BackSpace]を右手小指(塗り下駄配列では左手小指)に配置していますし。

シフトキーやコントロールキーをどれほど使用するかといった情報を集められなかったので、その部分は考慮の対象外としました。

QWERTY配列での[T]と[B]の打ちやすさの差

全般的に、指の曲げ伸ばしってそんなに楽な動きじゃないと思うんですよ。

私は指の曲げ伸ばしって別に苦には思わないんですよね。ってまさかこれは私がピアノを習っていたことが理由でしょうか。だとしたら、塗り下駄配列はピアノ経験者向けの配列?うーん。

句読点の位置

下駄配列における句読点の位置を見直したのは、「は、」、「て、」、「と、」というような入力を交互の打鍵でした方がよいかなと思ったからです。
もちろん、句読点の位置をそのままにして文字の位置の方を見直すという手もあります。

連語の割り当ての設定

 この手はあるとは思うんですが、覚えるのが大変そうなので手を付けませんでした。難度はどうなんでしょうか? AZIKでもやっているし、AZIKまで行かなくても、ローマ字入力で「ん」を入力するときに[N]と[N][N]を選択するのも同じことだと思うので、要するに慣れればできることなのかもしれません。
 第二弾まで行くと、ステノワードな香りがしますね。

まさにその通りです。
JLODの特殊拡張のように規則性をある程度もたせれば覚えることには難が無いとは思います。この覚えやすさも数値化できれば、いろいろといじりやすいのですけれどね。認知心理学の観点から速記の省略法を分析しているものがあればいいのですが。

*1:Wagner, Marc Oliver, Bernard Yannou, Steffen Kehl, Dominique Feillet and Jan Eggers. 2003. Ergonomic modelling and optimization of the keyboard arrangement with an ant colony algorithm. Journal of Engineering Design. 14(2):187-208. < http://www.informaworld.com/10.1080/0954482031000091509 >. (accessed 31 March 2009).